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知っておきたい「電話の基本キーワード5選」~中小企業IT担当者向け

2023.04.20
コラム
知っておきたい「電話の基本キーワード5選」~中小企業IT担当者向け

「知っておきたい・基本」シリーズでは、中小企業IT担当者の方にぜひ知っていただきたい、IT関連の基礎知識をお伝えします。

前回は「パソコンの基本」をお送りしました。

知っておきたい「パソコンの基本キーワード5選」~中小企業IT担当者向け

「知っておきたい・基本」シリーズでは、中小企業IT担当者の方にぜひ知っていただきたいIT関連の基礎知識をお伝えします。今回のテーマは「パソコンの基本」。中小企業のパソコン選定に役立つ解説をお届けします。

今回のテーマは「電話の基本」です。

日本の電話の歴史は150年以上あり※、電話とITとの関連がイメージしづらい方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、電話は今もオフィスで欠かせない機器の一つですし、技術の進化とともに時代にあった形に大きく変化し続けています。

今回は、そんな電話の進化を追いながら、皆さまに知っていただきたいキーワードをご紹介いたします。

歴史も長く、私たちの生活にも馴染み深い電話ですが、耳慣れないトピックも登場するかもしれません。決して古くならない「電話」の面白さについて、ぜひお楽しみください。

日本で電話が生まれて150年 黒電話や公衆電話など『電話の歴史』を振り返る(KDDIトビラ)

電話に必要な設備

オフィスの電話に必要な設備について、簡単に触れておきたいと思います。

  • 回線
  • 電話機
  • 交換機
電話に必要な設備
電話に必要な設備

回線

電話回線は、会話のための電気信号をやりとりする通信線路です。

電話をかけると、電話機から電気信号が送信され、この信号が電話回線を通じて相手の電話機に届きます。そして、その電気信号が相手の電話機で音声に変換され、会話が成立します。

電話回線は、電柱や地中だけでなく海底にも設置されており、世界中をつないでいます。

電話機

電話機は、音声の出入力に必要な機器です。

音声を電気信号にして送信し、また、受け取った電気信号を音声に変換することで、相手と会話できます。

電話機には有線電話と無線電話があります。それぞれに、さまざまな電話機がありますが、特に有線電話のビジネスフォン、無線電話のスマートフォンは、中小企業のオフィスで欠かせない機器となっています。

交換機

電話の交換機は、複数の電話機をつなぎ合わせ、通話を中継する機器です。

交換機を使うことで、複数の電話機をつなぐ、通話を自動的につなぐ、他の電話に転送する、といったことができます。

交換機は電話局の中にあり、接続・通話の中継を担っていました。

ただ、社内の電話(内線)にも電話局を通すと通話料がかかってしまうため、社内に置く交換機(構内交換機=PBX)が登場します。

PBXについては基本4で解説いたします。

基本1:アナログ回線、デジタル回線(ISDN)

「アナログ回線」は、音声信号を銅線に直接伝送します。それをデジタル化したのが「デジタル回線(ISDN)」です。

  • アナログ回線:音声を電気にのせて銅線で送る回線
  • デジタル回線:音声をデジタル信号にしてから電気にのせ、銅線で送る回線

電話回線はもともと「アナログ回線」が主流でした。1988年、NTTによるISDNサービスが始まり、「デジタル回線」が登場します。

デジタル回線には次のようなメリットがありました。

  • 同時に複数の通話が可能(1本で2回線利用できる)
  • 音質の劣化が少なく、音声品質が高い
  • アナログ回線に比べて盗聴が困難
アナログ回線とデジタル回線
アナログ回線とデジタル回線

なお、NTTは2024年1月以降、固定電話の契約数の減少や中継交換機の老朽化などを背景に、アナログ回線・ISDN回線を、インターネットを使ったIP電話回線へ切り替えると発表しています※。

NTTのアナウンスにもありますように、ご利用中の電話番号や電話機は引き続きご利用いただけます。

一部使えなくなるサービスなどはございますが、ISDNサービス終了に伴う電話機の交換のセールスなどは、詐欺の可能性もあります。ぜひ信頼できる業者さまにご相談ください。

焦らずに情報収集を。電帳法改正、インボイス制度導入、IE・ISDN終了。

ここ数年、中小企業のITに関連する法改正や、重要サービスの終了が話題になっています。誤った情報提供で不要な商品を契約することのないよう、皆様にはぜひ、焦らずに情報収集していただきたいと思います。

IP網移行の概要(NTT東日本)

基本2:050-IP電話、光IP電話

従来の電話回線に加え、近年はインターネット回線を使った電話サービス「050-IP電話」「光IP電話」が登場しています。

  • 050-IP電話:通信経路にインターネット回線を利用する電話
  • 光IP電話:光ファイバーを利用し、インターネットと電話のサービスを一体化して提供

この2つのサービスは、インターネット回線を使っている、という点で混同されがちです。

050-IP電話はNTT交換網を利用せず、IP電話サービス網を経由して接続しています。一方、光IP電話は、光ファイバーケーブルを利用した電話回線業者が提供しているサービスです。両者は回線を提供する業者が異なっています。

050-IP電話と光IP電話
050-IP電話と光IP電話

次のような特徴があります。

050-IP電話:

  • 電話番号は「050」から始まる(場所が変わっても番号は変わらない)
  • 通話料金が比較的安価
  • 110や119など緊急番号は利用できない

光IP電話:

  • 固定電話と同じ「03」などの番号が利用可能(場所が変わると番号は変わる)
  • 通話料金が全国一律
  • 通話品質が高い
  • 110や119など緊急番号が利用可能

従来のアナログ電話回線の場合、電話料金とインターネット利用料は別に必要ですが、光IP電話はセットで安価になります。そのため、浅間商事のお客さまでもインターネット回線と一緒に電話を光IP電話に切り替えるケースが増えています。

また、以前は光IP電話でFAXが利用できないケースがあり、アナログ回線の契約をFAX用に残すお客さまがいらっしゃいました。最近はこのFAXのトラブルは少なくなり、アナログ回線は解約するケースもあります。

なお、いずれも停電時は利用ができなくなります※。

停電の際の固定電話サービスの利用について(総務省)

基本3:ビジネスフォン、家庭用電話機

中小企業のオフィスで利用されている電話の多くが、「ビジネスフォン」と呼ばれる電話機です。

ビジネスフォンとは、一言でいえばオフィスに適した電話機であり、家庭用の電話機とは異なる機能を搭載しています。

ビジネスフォンの主な特徴:

  • 複数回線利用でき、かつ複数の電話機を接続できる
  • オフィスに必要な機能が搭載されている(例:内線転送など)

「家庭用電話機」は、回線1本につき電話機1台が必要になります。そのため、回線が1本であれば1台の電話機を全員で共有することになります。

ビジネスフォンは家庭用電話に比べ、機器や設置が高額です。そのため、5名以下の小企業や、オフィスに人が少ないお客さまの場合、1台の家庭用電話機を利用しているというケースもあります。

ただ、それ以上の規模になると、1台の電話を複数名で利用するのが難しいため、ビジネスフォンはオフィスに必要な電話になりました。

なお、中小企業のオフィスで利用されるビジネスフォン(電話機)は、「ボタン電話」もしくは「多機能電話機」と呼ばれています。通常のダイヤルボタン以外に、他の回線を選択するボタンがあります。また、それらの回線の状態がこのボタンで確認できます。

ボタン電話の例(integral X(日立社製))
ボタン電話の例(integral X(日立社製))

【お客さま事例(従業員数:約20名)】
コードレス家庭用電話機をご利用。音量や音質が安定せず、通話品質にお悩みだった。浅間商事からビジネスフォンをご提案。導入いただき、通話環境が改善された。

基本4:主装置/PBX

オフィスの電話で重要なキーワードが「主装置」、もしくは「PBX」です。

この2つの主な違いは、電話回線の収容数や電話機の設置台数であり、主装置は中小規模、PBXは大規模なオフィスで利用されています。

どちらの機器も、複数の電話回線(内線・外線)を制御するものです。

複数の電話回線と複数の電話機を接続する際、その割り当てや切り替えを行います。この機能により、複数の電話回線を複数の電話機で共有できているのです。

主装置の役割
主装置の役割

基本3でご紹介した「ビジネスフォン」は、この「主装置」と対になるものです。

ビジネスフォンは主装置に接続することで、主装置からの指示で通信を行っています。

ビジネスフォンと主装置がキーワードとして混同されるケースがありますが、ビジネスフォンは電話機であり、主装置はビジネスフォンを使ったオフィスの電話全体を管理する装置です。

基本5:クラウドPBX

中小企業の電話環境で、近年特に普及が進んでいるのが「クラウドPBX」です。

クラウドPBXは、基本4でご紹介した主装置/PBXが、クラウド上(インターネット上)にあるサービスです。

クラウドPBXのイメージ
クラウドPBXのイメージ

クラウドPBXには主に次のようなメリットがあります。

  • 初期費用が抑えられる
  • 工事時間が抑えられる
  • 機能拡張の柔軟性が高い
  • テレワークしやすい
  • 物理的なセキュリティ、BCP対策にも
  • 社内の電話回線の配線が不要になる など

初期費用が抑えられる

通常の主装置は導入時、専門業者による工事や設定が必要です。また、比較的高額な主装置も購入するため、初期費用が高額になりがちです。

一方で、クラウドPBXは多くの場合、インターネット回線とLANケーブルを、対応した電話機を接続するのみで導入が可能です。主装置のような機器の購入や工事が不要です。

そのため、初期費用が抑えられる傾向があります。

工事時間が抑えられる

通常の主装置を導入する場合、電話業者の工事だけではなく、NTTの工事も必要になります。年度末など混んでいる時期は、工事が1~2か月後になることも珍しくありません。

クラウドPBX導入にはNTTの工事は不要です。サービス提供業者の設定が終わり、対応電話機が届けば、お客さまが電話機にLANケーブルに挿して終わりというケースも多いため、早ければ1~2週間後には利用できます。

起業やオフィスの移転、事務所の改装の際など、お急ぎのお客さまや、長期間、電話業務を止めたくない会社に最適です。

機能拡張の柔軟性が高い

従来の主装置に機能を追加したい場合、専門業者に工事を依頼する必要があります。また、増員して電話機の台数が増えると、電話機20台に1台程度主装置を追加購入する必要が出てきます。

一方、クラウドPBXは、主装置が持つ機能をサービス提供事業者が管理しているため、利用者側の社内工事などは不要です。

管理用のホームページで機能をオンにしたり、オプションサービスを申し込んだりするだけで、手軽に機能を拡張できます。電話機の台数が増えても、1台につき1ライセンスを追加購入するだけで済み、大きな投資も無駄もありません。

従来の主装置に比べ、新しい機能の追加が早く、そして豊富なのも特長です。

テレワークしやすい

インターネット環境と対応端末があれば、固定電話の通話ができるため、テレワークがしやすくなります。

この仕組みは、テレワークが急速に普及したコロナ禍で、クラウドPBXが注目されるきっかけの一つになりました。

浅間商事でも、コロナ禍でクラウドPBXを導入しています。

全社テレワーク実施時は、必要に応じて外線番号をスマートフォンに転送することで対応しました。しかし、転送すると受信が一つの端末に限られるため、話中でお待たせするケースや、折り返しの発信番号がスマートフォンの番号になってしまうことなどが課題でした。

一部の番号にクラウドPBXを導入した結果、社外でも会社と同じ番号で受発信できるようになり、話中や番号表示のトラブルが解消し、現在もテレワークで活用しています。

「テレワークの課題」解決シリーズ【電話編】

テレワークは続けていると「課題」も見えてきます。テレワーク導入後も、電話対応のために誰かが出社する必要がある、急な外出や用事があっても電話当番でデスクを離れられない……といったケースはないでしょうか。今回はこのテレワークの「電話番」の解決方法についてご提案いたします。

物理的なセキュリティ、BCP対策にも

従来の主装置は、社内に設置・管理する必要があります。

そのため、何かの障害を受ける、盗難や自然災害などで機器が壊れると、電話は使えなくなります。

クラウドPBXの場合、主装置は業者が管理するサーバー上にあるため、保守・管理は不要です。また、専門の業者が管理するため、中小企業は自社で管理するより安心と考えられます。

なお、そのような点でクラウドPBXは、品質やサポート面で信頼できるサービス選びがとても大切です。

社内の電話回線が不要に

インターネット回線を使って通話ができるため、社内の電話回線の配線が不要になります。

従来のオフィスには、電源、インターネット、電話、各種機器につながるケーブルなど、いろいろな線が多くありました。

クラウドPBXはインターネットで接続するため、インターネット回線があれば社内の電話回線の配線は不要になります。これは、社内環境の改善にもつながります。

以上がメリットです。
一方で、次のようなデメリットもあります。

  • 通話料以外に月額料金がかかるため、長期間利用する場合は従来の電話よりコスト高になる可能性がある。
  • インターネットの停止やシステムトラブルにより、不通になる可能性がある。
  • 音声品質が従来の電話より低いサービスもある。

自社の電話の使用用途や頻度、メリット、デメリットなどを整理し、検討されることをおすすめいたします。

お客さま事例

浅間商事の電話に関するお客さま事例です。

オフィスの電話はすでに導入済み、利用されているお客さまが大半のため、次のようなケースでご相談いただくことが多くなっております。

  • 社員増員のための電話機増設
  • 起業、オフィス移転などに伴う新規設置や移設
  • 現状への不満、リース終了時の価格の見直し
  • 新しい機能の導入

【ビジネスフォン】
FAX(複合機)の不具合で浅間商事にご連絡があり、問題を切り分けた結果、電話の主装置の問題が判明。電話は他社さまから導入していたが、そのほかのIT/OA機器のご相談全般を浅間商事が対応していたため、当社のフォロー体制をご評価いただき、ビジネスフォンを当社から入れ替え。入れ替え時に電話回線をISDNサービスから光IP電話に変更。

【ビジネスフォン+スマートフォン】
新規開業のクリニックさま。当初、院内の電話機は1台の予定だったため、家庭用電話機の話も出たが、増設の可能性を見込んでビジネスフォンを導入。また、訪問医療がメインのため、スマートフォンも同時に購入。通話だけでなく、チャットアプリなどもご活用。

【クラウドPBX】
IT/OA関連の経費全般を見直したいとのご相談をいただく。各種経費を見せていただいたところ、テレワーク用の電話転送サービスをご利用だった。浅間商事からクラウドPBXをご提案したところ、金額や豊富な機能にメリットを感じられる。製品デモに加え、音質や使い勝手を2週間テストしたのちにご導入。

【クラウドPBX】
東京23区内で事務所を移転。使っていた主装置と電話機をそのまま新しい事務所にも移設する予定だったが、クラウドPBXの番号ポータビリティ※を使えば固定電話の番号の変更が不要になるため、移転を機にクラウドPBXを導入。

※地域などによりご利用いただけない場合がございます。詳しくはお問い合わせください。

まとめ

今回は中小企業IT担当者さま向けに、「電話の基本」を、次の5つのキーワードで解説しました。

  • アナログ回線、デジタル回線(ISDN)
  • 050-IP電話、光IP電話
  • ビジネスフォン、家庭用電話機
  • 主装置/PBX
  • クラウドPBX

オフィスの電話に必要なのは、「回線」「電話機」「交換機(主装置、PBX)」の3つです。

回線は「アナログ回線」「デジタル回線(ISDN)」の2つが主流でした。近年はインターネット回線や、光ファイバーを利用した「050-IP電話」や「光IP電話」が普及し始めています。

オフィスで使われている電話機は、「ビジネスフォン」と呼ばれ、一般家庭で使われる「家庭用電話機」に比べ業務用に豊富な機能を備えています。

交換機は、複数の電話機をつなぎ合わせ、通話を中継する機器です。中小企業では「主装置」、大企業では「PBX」という大規模な装置を指します。

この主装置/PBXの機能をクラウド上で提供するサービスが「クラウドPBX」です。インターネット回線を介して、会社の固定番号をオフィスの電話機以外からも利用できるため、近年中小企業の間でも普及し始めました。企業規模を問わず、豊富な電話の機能を利用できます。

最後に、浅間商事のお客さま事例もご紹介いたしました。

メールやビジネスチャット、Web会議など、オフィスのコミュニケーション方法は増えてきましたが、電話は今後も長く使われるOA/IT機器の一つと考えております。

技術も進化し続けているため、機器や回線、サービスなどの見直しにより、使い勝手の改善だけでなく、コスト削減につながる可能性もあります。

現在の電話に課題を感じられているお客さまはもちろん、リース終了や入れ替えが近づいているお客さまにも、入れ替えのタイミングでよりよいご提案ができるかもしれません。

オフィスの電話については、浅間商事にぜひお気軽ご相談ください。

(当ホームページの情報は執筆時点、もしくは更新日時点の情報に基づいております。掲載後の状況により、内容の変更が生じた際、予告なしに変更・更新する場合があります。)
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