アンケートや申請フォームなどが作れる Microsoft Forms(マイクロソフト フォームズ)は、Microsoft 365 のどのプランでも利用できます
簡単ながら活用法が大変豊富なツールで、特に中小企業の皆さまにおすすめです。
今回は Forms の使い方と活用術を画像付きでご紹介します。
なお、本記事では法人向けユーザーを想定しております。
FormsはもともとMicrosoft 365法人ユーザー向けのツールでしたが、2020年10月より、Microsoftアカウントがあれば個人も無料で使えるツールになりました。
利用するデータ、対象とするユーザーの設定は、アカウントの状況に依存します。また、法人内でのみ利用できる社内間のデータ共有、集計などの機能を十分に活用するため、法人ユーザーでの利用をおすすめします。
Microsoft Formsとは
Microsoft Forms(マイクロソフト フォームズ)は、Microsoft 365の「フォーム作成ツール」です。お問い合わせフォーム、アンケート、オンラインテストなどを簡単に作成できます。
- 回答方法は、選択肢、テキスト、ファイルのアップなど、よくある質問フォーマットに対応
- クイズ版では質問に対する正解の設定や配点、コメントによるフィードバックが可能
- ブラウザで、パソコン、スマートフォン表示が可能
- 回答データはブラウザで閲覧、もしくはExcelでダウンロード可能
- 複数人での回答の編集・データの閲覧が可能
- クラウドなのでネットと端末があればどこからでも操作が可能
Microsoft Forms で使える便利な機能
次のような便利な機能を簡単に設定できます。
- 回答者の制限(すべての人、社内の人のみ、特定の人のみ)
- 回答の開始日と終了日
- 自分の回答を保存し、後から確認できる
- 回答の通知をメールで受信 ほか
回答者の制限
社外向けフォームの作成はもちろん、回答者を社内の人(自分の組織の人)に限定設定することで、社外秘の社内向けフォームの作成も可能になります。
ファイルのアップのように、回答者を組織内に限定することで利用できる機能があります。
開始日と終了日
期間限定公開のフォームにしたい場合、回答の開始日と終了日の設定が可能です。
自分の回答保存できる
回答者が回答を送信後に、自分の回答を保存することができます。
通常、回答は管理者のみに送信されますが、このオプションを使えば、回答者はいつでも自分の回答を送信後に見ることができます。申請、オンラインクイズやテストなどで活用できます。

回答の通知をメールで受信
回答があった場合、管理者にメールで通知を送信できるオプションです。回答状況をリアルタイムに把握したい場合、回答受信後にアクションが必要な場合などに便利な設定です。
Microsoft Forms の特長
多くの企業がフォーム作成サービスを提供していますが、Microsoft Formsは他のマイクロソフト製品との連携が豊富という点が特長です。具体例を紹介します。
OneDrive、Excel、メールとの連携
回収した回答は Excel で保存されます。また、回答をメールで通知する場合、メールアドレスを設定することなくフォーム管理者のアカウントに設定されたメールに通知が届きます。
グループ共有で共同編集
組織で Microsoft 365 ご利用の場合、回答データをグループ内で共有し、編集・共同管理することができます。
Teamsのタブに追加
Teamsのチャネルのタブに追加することができます。
社内のコミュニケーションがTeams中心の場合、TeamsのタブにFormsで作成したフォームを追加することで、社内アンケートやテストへのアクセスがスムーズになります。(表示内容は回答画面もしくは結果画面の選択が可能)

Microsoft Formsの使い方
フォームの作成から回答の回収まで、直感的に操作できるのがFormsの特長です。
「フォームの作成」→「回答」→「回答の回収」の一連の流れを実際に試してみましょう。
STEP1:作成
Microsoft 365 のメニューから Forms を選択、もしくは Forms のページに直接アクセスし、「新しいフォーム」もしくは「新しいクイズ」をクリック
- フォーム:社内申請やお問い合わせなど、長文などの記載が発生する場合での利用がおすすめ
- クイズ:設問に点数の設定や、選択した解答に対するコメントをつけるといった形での利用がおすすめ
クイズについて
「フォーム」は通常の選択肢やテキストなどを入力するフォームです。「クイズ」はテスト機能を持っており、「質問」に対する「正解」の入力欄と、点数欄があります。
回答後に正誤を確認して自動採点をしたうえで回答者にフィードバックをする機能もあります。
文教業界はもちろん、一般企業の社内教育や、レクリエーションなどにもご活用いただけます。
フォーム・クイズの名前を設定します。「新規追加」をクリックし、質問を追加します。
質問の種類を選択・設定します。(設定内容は質問の種類によって異なります。セクションは質問を区切る機能です。)
右上の歯車のマークをクリックし、「設定」を選択します。回答対象などを設定できます。
右上の「スタイル」ではフォームのスタイル変更が可能です。レイアウトと背景画像を設定することができます。(自分で用意した画像のアップも可能です。)
なお、タイトルや質問ごとに画像の挿入もできます。デザイン目的だけでなく、質問に必要な画像を入れることもできます。
回答者からの見え方は、「プレビュー」にて確認が可能です。PCとスマートフォンでの見え方を確認することができます。
右上の「回答を収集」をクリックします。URLやQRコードなどでフォームへのリンクを取得し、回答者に共有します。
誰かと共同で内容を編集する際は、右上の「…」をクリックし、「共同作業または複製」を選択することによって、編集用のリンクが生成されます。
個人で作成したフォームを希望のグループ内の管理下に移動させれば、共同編集できるようになります。
STEP2:回答
回答者はSTEP1で共有されたURLにアクセスし、回答の選択やテキストの入力などを行い、「送信」をクリックします。
STEP3:回答結果の確認
管理者は設定画面に「応答」タブが表示されています。
「応答タブ」では集計データを一覧表示で確認できます。Excel で閲覧・編集したい場合は「Excelで開く」をクリックして、Excelをダウンロードします。
Microsoft Forms 活用術3選
弊社で実際に行っているFormsの具体的な活用事例を3つご紹介します。
その1:アンケート
Forms は、お客様への満足度調査アンケートから簡単な社内アンケートまで、情報を集めたいさまざまな場面で活用できます。
社外アンケート
お客様向けセミナーなどのイベント時には、アンケート回答用のQRコードを、配布する用紙に印刷したりスクリーンに投影したりしています。
それを参加者自身のスマートフォンで読み取ってもらいアンケート回答を促しています。
アンケート用紙を使っていたころは、イベント終了後に手作業で集計した後、複合機でスキャンしてPDF化してから営業部に共有しており、一日がかりでした。
営業部でも、紙と同じように一枚ずつデータ化された中から目的の回答を探すのに手間がかかっていました。
Forms を使えばアンケート結果は自動で集計され、Excel形式で回答の一覧が出力できます。
グラフを使ったレポートも自動で生成され、イベント終了後はすぐに結果を振り返ることができるようになりました。

社内アンケート
これまでに、テレワークアンケート※1、職場環境改善アンケート、eラーニングについてのアンケート、社用携帯不具合アンケートなどを実施してきました。
以前はメールで行っており、集計は手作業のため、作成・集計・結果共有までに大変時間と手間がかかっていました。
Forms なら回答者を社内のみに限定して質問を作成するのは簡単です。Teams を使って社員に回答を促した後は、集計結果のまとめまで自動で済むようになりました。

すぐに作成できるため、複雑な構成のアンケートを行う際のハードルも格段に下がりました。
また判断材料となるデータの集計まで手間がかからないため、経営判断が迅速に行えるようになりました。
※1テレワークに関するアンケート結果はこちらの記事でご紹介しています。
「93%がテレワーク実施継続を希望」。 浅間全社員テレワークについての社内アンケート結果
その2:お申し込みフォーム
Forms で簡単なお申込みフォームの作成が可能です。
イベントやセミナーの申込み、プレゼントの応募など、紙やメールで集めていた情報を、データで回収し一覧で確認することができます。

このようなフォーム作成にはさまざまなツールがありますが、Microsoft 365 をお使いであれば、Forms なら追加料金なく使えます。
フォームの準備も簡単で、その後のデータのまとめも迅速です。
作業のハードルが下がることで、このような施策を頻回に行うことができるようになります。
その3:理解度チェックテスト
Formsでは、クイズ形式のテストを作成することが可能です。
浅間商事では毎年、独自にセキュリティ監査を実施しています。
その際に行う、セキュリティに対する知識の理解度チェックテストをFormsで作成しています。
セキュリティ研修の他にも、新人社員研修、ハラスメント研修、製品研修などを社内で実施しているなら、研修後の理解度チェックテストはおすすめです。
社員が研修に対しより積極的に取り組んでくれるようになり、知識の定着にも役立ちます。
作成されたテストは、問題ごとに配点を変更したり、回答の正誤にあわせてコメントをつけたりすることが可能です。
受験回数をひとり1回に制限することや、誰がテストを受けたかチェックすることも可能です。
アンケート同様、テストもExcel形式で採点結果の集計までをスムーズに行うことができます。
別途購入のMicrosoftのAIアシスタント、Copilotを用いれば、アイデアが思い浮かばない場合も、社内で行っている研修の資料やネットの情報などを参考に問題のベースが作成されます。
まとめ
Microsoft Forms(マイクロソフト フォームズ)は、Microsoft 365の「フォーム作成ツール」です。
お問い合わせフォーム、アンケート、オンラインテストなどを簡単に作成できます。
作成が簡単なだけでなく、回答の回収とデータの集計も簡単かつ迅速に行えます。
同様のツールはほかにもありますが、FormsはMicrosoft 365 利用者であれば無料で使えて、Microsoft 365 内での連携が豊富なのが特長です。
回答データをExcelの状態でOneDriveに保存し、回答があればOutlookのメールに通知を飛ばすことができます。また、SharePointにデータを保存してグループ内で共有、Teamsのタブやチャット欄にデータを表示させるなど、連携方法は豊富です。
具体的な活用術として、次の3つをご紹介いたしました。
- Forms活用術その1:アンケート
- Forms活用術その2:お申込みフォーム
- Forms活用術その3:理解度チェックテスト
浅間商事では、中小企業の皆さまの Microsoft 365 導入支援をしております。(Formsアプリは導入アドバイスのみ可能です。初期設定代行および導入後サポートは行っておりません。)
この記事を読んで「うちにも取り入れられそう!」と思っていただければ幸いです。
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